平成二十年の日本人の平均寿命は、女性八六・〇五歳で二十四年連続の世界一、男性も過去最高の七九・二九歳であった。そして、それ以後も寿命は延びているとのことである。人生五十年といわれた頃に比べると雲泥の差がある。
しかしそれもあくまで平均寿命であり、歴史学者であり病理史学者・立川昭二氏が著書「江戸病草紙」で、歴史上の人物について一九六四年以前の五〇〇年の平均死亡年齢を計算している中で、
戦国時代六〇・四歳、
江戸時代前期六七・七歳、
江戸時代中期六七・六歳、
江戸時代後期六五・二歳、
明治大正時代六〇・六歳、
昭和時代七二歳
だと述べている。
上昇学生の肥満
戦乱による若者の死亡率の高い時期を過ぎると、結構長生きをしていたことが分かる。
幼児死亡、病気死亡を除いた寿命は現在に比べて十歳くらい短いだけである。
やはり医学の発達の故であろう。
そして、その人生は幼少青年期二十年、成人期三十年、老人期十年に大別されるそうである。
幼少青年期二十年間(元服十五歳のときは十五年間)は父母の庇護の元、祖父母の援助により成長、種々の教育を受ける。老人期は子供の世話になり、人生を全うする。その前後の二十年が一致する。だからこそ、老祖父母が亡くなった時には、孫達は幼少青年期の祖父母を思い出しては泣き叫び、生の尊さを真に知るのである。
子供PEの肥満
しかし、大家族から核家族に移行する段階で、それらの人生の大別が変化した。
幼少青年期は幼稚園・小中高等学校・大学校、成人後は夫婦共に就職、老人期はその夫婦二人の生活、それ以後は病院等の施設での生活になった。
そこには祖父母と孫との日常生活はなく、ましてや人間としての教育もない。
父母も教育を学校等に任せっきりであり、他人に任せることから、何かあるとクレームをつける。所謂モンスターになってしまう。
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最近の新聞報道を見ていると、親子間での殺人事件が多い。
直接的な殺人行為でなくても、虐待の結果として殺してしまうケースもある。
子が親に恨みを持ち、発作的に殺す場合などもあり、年老いた夫婦間でも殺人を起こす。
どれにしても、本当に悲しいことである。
中でも親子間での殺し合いは、他の動物では極めて希である。
特別の環境でない限り、親が子を殺したり食べたりはしない。逆もそうだ。
それらの事件を見聞きするとき思うことは、子を殺した親については親としての教育のなさを感じ、親を殺した子については子を教育できなかった親の力なさを感じる。
そしてこれらは戦後核家族化が進んだ中で起きた事故である。
大家族の中では、老人が子供を擁護教育し、その父母さえも指導する。そして、老人は家族の中で看取られる。ごく当たり前のことだが、現代社会では捨てられている。
経済という名のもとに、生まれた場所で職を得ることが出来ない現在では、核家族にならざるを得ない。結果、家族の絆はますます薄まってゆく。そして、日々、悲劇が起きている。
経済の中で、家族のそれぞれの役目を忘れてしまった今の日本、もう一度、家族の絆を思い出しては。
古い家族を捨てた結果、新しい家族をいただいたが、本当に幸せになったであろうか。
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