視覚障害者向け支援技術の現状(上)
各種機器の小型化やデジタル化が進み、目が不自由な人にはかえって操作しづらいものが増えている。そうした現状を打開するため、『スタートレック』で全盲の中尉を演じたレバー・バートン氏も一役買って、身の周りのさまざまな機器類と情報をやり取りする手段を低コストで視覚障害者に提供できる製品の開発を目指す事業が立ち上げられた。
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肥満や自動販売機
技術の進歩により、機器類は軽量化、小型化が進み、持ち運びやすくなった。ほとんどの人にとって、それはより便利になったことを意味する。しかし、数多くの視覚障害者にとって、それは不便以外の何物でもない。
視覚障害者のジェイ・レーベンサール氏は、『iPod』(アイポッド)についている小さなコントローラーはどうにか手探りで操作しているが、ニューヨークにある自身のオフィスが入ったビルの、全テナントのリストを収めた端末については、利用するのを断念したという。レーベンサール氏にとっては、今や洗濯さえもが健常者の助けを必要とする面倒な作業となった。利用しているコインランドリーの清算方法が硬貨からスマートカードに変わり、操作方法はデジタル画面に表示されるようになったが、レーベンサ� ��ル氏には画面の文字を読むことができないからだ。
"コミュニケーションスキル" pshychology
「視覚障害者にとって最大の障害は情報へのアクセスだ。それなのに、情報の発信が目の不自由な人には不向きな種類の機器を通じて行なわれることが多くなっている」と、米国盲人協会(AFB)が発行する『アクセスワールド:テクノロジーと視覚障害者』の編集長を務めるレーベンサール氏は話す。
視覚障害者には、ATM(現金自動預払機)から駅や空港の券売機まで、身の周りのさまざまな機器類と情報をやり取りできる手段が必要だと、レーベンサール氏は訴える。
レーベンサール氏をはじめ、障害者支援技術に詳しい人々によれば、それが実現できない理由はないという。実際、音声や画像処理用のマイクロプロセッサー、携帯電話、カメラ、携帯情報端末(PDA)などは、そのための技術をすでに搭載� ��ている。
あとは、誰かがそれらを1つにまとめるだけでいい。
ミッシー·エリオットは何大学に通うんでした
これを基本理念として立ち上げられたのが、『レバー・バートン視覚補助技術センター』(ウェストバージニア州モーガンタウン)というベンチャー事業だ。誕生間もない同事業では今後、ウェストバージニア大学、ジョージア工科大学の各学術機関、および米モトローラ社をはじめとする民間企業との提携を通じ、双方が持つ人材その他の資源を統合して技術開発を目指す。
センターの名称は、『スタートレック/ザ・ネクスト・ジェネレーション』で全盲のジョーディ・ラ・フォージ中尉を演じた俳優、レバー・バートン氏にちなんだものだ。バートン氏は、知名度を活かして同センターの資金集めにも協力している。バートン氏自� �は視覚障害者ではないが、ドラマの撮影では1日12時間近く、視野の75%をふさぐバイザーを装着していた。
同センターは各提携先と協力し、レーザーや拡大レンズ、GPSといった既存の技術を利用して、視覚を補助する製品の開発、試験、商品化を手がけていく計画だ。またAFBもウェストバージニア州ハンティントンに技術評価用の施設を持っており、研究者に助言を提供していくという。
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